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いと誤差を生ずるので特に注意が必要である。
e)測定に使用するコンパスは、その基線が船体の船首尾線と平行に据え付けられているものでなければならない。一般に既設のコンパスはこのように据え付けられているが、もし測定のために特別に別個のコンパスを使用するようなときには、その設置についても同様な注意が必要である。
f)レーダーマストと測定用コンパスとの位置の違いによる誤差をなくするには、両者の距離の100倍以上の距離にある物標を選んで測定すれば、0.5度以下の誤差に止めることができる。
g)調整は、サーボ系の機種ではコントロールドランスを、レゾルバ系の機種では偏向コイルを回転させて行うのが一般的なようであるが、メーカーの指導要領に従って行うこと。
(14)可能な限り船の全局にわたり、できるだけ多くの物標を計測して、最大探知距離及び最小探知距離が適正であることを確認すること。
a)点検場所においてあらかじめ適当な物標を選定しておき、その映像の状態を観測しながら、船舶設備規程で指示されている値を参考にして、最大探知距離及び最小探知距離に異常がないことを確認する。
b)この物標は、点検場所における過去の経験によって選ばれることが多いが、周囲を山に囲まれた湾内のように遠距離の物標がない場合には、パフォーマンスモニタ等を使用して点検し、確認する方法もある。しかし、やはり後日、船が移動したときに実際の物標によって確認した方がよい。
(15)適当な物標により、距離分解能及び方位分解能が適正であることを確認すること。船舶設備規程では、次の??項に示されている精度が要求されている。
?2海里以下の距離レンジにおいて、当該距離レンジの50%以上100%以下の距離にあり、かつ、相互に50m(乙種航海用レーダーでは68m)離れた同方位上の2個の物標を分離して表示することができること。
?1.5海里又は2海里の距離レンジにおいて、当該距離レンジの50%以上100%以下の等しい距離にあり、かつ、方位角の差が2.5度(乙種航海用レーダーでは3.O度)である2個の物標を分離して表示することができること。
※通常、これらの計測を行うのに適当な物標を選びだすことはなかなか難しいが、その地区における過去の経験により、これらが判断できるような適

 

 

 

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